矢野 貴久子
   
  今回は、女性に大人気のサイト「Cafeglobe.com」を運営されている、株式会社カフェグローブ・ドット・コムの矢野社長にお話を伺いました。 「カッコイイ女性」でありながら、たくさんの優しい笑顔でインタビューに答えて下さった矢野社長。お仕事をされる上で大事なこと、また生活される上で大切にされていることをお聞きしました。

矢野 貴久子

---まず、矢野社長が起業したきっかけを教えてください。

 もともと編集者をしていたんですが、女性誌の連載で『世界で働く日本人女性』というテーマの仕事をしたことですね。その時にすごく衝撃を受けたんです。海外では、女性同士が日常的に政治、経済を語るんですよ。日本ではあまり見られない光景ですよね。それは日本が国家として安定していて、すごく恵まれているということなんですが、日本女性も普段から興味を持って知っていれば、色々な場面で選択肢が増えて、そこから選択することが出来ますよね。初めから全く知らなくて選択できなかったのと、知っていて選択しなかったのではそこに大きな差があると思うんです。

 それと同時に、海外在住の日本女性の「日本の情報がもっと欲しい」という声を多く耳にしまして、そういう思いを持った人たちをつなげられる媒体があったらなって思っていました。そういう意味でインターネットは環境さえあればどこでも見て頂けるので、世界がぐっと近くなりますよね。広い分野の情報提供をして、女性のための選択肢を増やすような媒体、そして世界中の女性をつなげる媒体を作りたい、という思い。それがカフェグローブを始めたきっかけです。


矢野 貴久子

---お仕事をされる上で大事にされていることは何ですか?

 愛情を持って仕事をするということですね。私がもともと雑誌の編集者をしていたこともあるんですけど、「取材して、書く」っていう行為って、その対象を好きにならないと出来ないと思うんですよ。その瞬間好きになって、愛しぬいて、書く。雑誌なので、事実を客観的に伝えるというよりは、主観的に、楽しく伝えるっていう事の方が大事だったんです。

 自分があまり関係ないとか好きじゃないものでも、もし私がこれを好きだったらどういう視点で見るだろうとか、自分が知らなくても、詳しい人に聞いて愛するポイントを知っていくといいものが出来上がるという実感がありました。愛情はかければ返ってくるんですよ。

矢野 貴久子 起業してからも、結局は仕事に対して愛情がないと楽しくないと思っています。例えば、面倒な作業っていっぱいあるじゃないですか?山のような事務作業とか、飛び込み営業をしなきゃいけないとか。そういう時でも、何か面白くなるきっかけとか、相手にまず愛情を持つようにすると楽しくなるんです。そのためには自分にも愛情を持たないといけないし、もちろん仕事自体を慈しむことが大事です。だってみんな自分が大事でしょ?(笑)
 
 同じだけ仕事をするなら楽しいほうがいいですよね。少なくとも私達はメディアビジネスとして人を楽しませる仕事をしているわけで、その自分達が楽しくなかったら絶対に伝わらないと思うんです。 

---どのようなときに成功の手応えを感じますか?

 色々なところで感じますが、スタートした当初は「こういうサイトが欲しかった」っていう声を頂きました。それが一番の励みでもありますよね。編集やっていた頃よりユーザーさんとの距離は近いですよね。それが嬉しいです。
 ユーザーさん同士もカフェグローブで交流してくださるんですよ。オフ会とか、アンケート企画で集まって頂く時にお互い同じような感覚を持っていて、悩みや思っていることを仲良くお話されているのを見ると、やってよかったなと思いますね。



矢野 貴久子

---矢野さんには審査員として参加して頂くわけですが、東京ビジネスアイデアコンテストに
---期待されることを教えてください。


 人はエモーショナルな生き物ですよね。だから、およそ人が集まって何か活動する上で決して切り離せないものなんです。それはビジネスだったり、教育だったり、様々な分野で言えることですが。もちろんマニュアルや型はありますが、そこに人が関わっている以上、エモーショナルな部分を捨てたら文化が何も語れなくなりますよね。

 エモーショナルなことというのは主観が大事で、人によって全然違う。だからビジネスにどう活かすかが非常に難しいところで、日本はそこがあまり得意ではない気がします。上手くビジネスに取り入れてもっと日本経済が成長できたら素晴らしいですよね。そういう意味で、すごく画期的だと思います。


矢野 貴久子

---それでは、最後に若者に対するメッセージをお願いします。

矢野 貴久子 小さいものから大きなものまで、感動を大事にしてください。そして、たくさんの感動をちゃんとしまっておく。人を感動させるには、まず自分が感動を感じなくてはいけないんですよ。しまっておいた、自分が感動した時の状況や理由を、人を感動させたいと思ったときに取り出すんです。だからどんどん感動してください。

 そのためには見つける力が必要で、いつも「オープンマインドで」という気持ちを心がけるといいかもしれないですね。パッと腕を広げた時に、色んなものを受け入れようって。私自身、新しいこととか驚きが好きなんです。好奇心が強いから、興味のないことでもそこに関わっている人達に感情移入しちゃうんですよ。この人達が見ているものを見てみたい、こんな世界もあるんだ!っていう発見が嬉しい。
 
 私の夢は、一生現役で、楽しくワクワク働くことです。せっかく生まれてきたからには、ちょっとは人の役に立って迷惑掛けてきた人に対して恩返しがしたい。人が喜ぶ仕事をして、自分もワクワクして、楽しくなる。みなさんもオープンマインドを持って、ワクワクを探してみてください。

■ 取材日  :2007/3/29
■ ライター :Naoko Nishida

 

 


 

 

 

矢野 貴久子 氏
株式会社カフェグローブ・ドット・コム
代表取締役

http://www.cafeglobe.com/


『Oggi』『FIGARO japon』をはじめとする多くの女性誌編集者として、あらゆるテーマを手がけた後、1999 年11 月、「女性のための本当に役に立つメディア」を目指して株式会社カフェグローブ・ドット・コムを設立、代表取締役に就任。同年12 月、Web サイト『cafeglobe.com(カフェグローブ・ドット・コム)』をスタートさせ、経営全般を担っている。サイトも2007年1月末現在、月間総ページビューが800万ページビュー、月間ユニークユーザー40万人の人気サイトに成長を遂げ、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2002」では、ネット部門で4 位にランクインした。女性起業家の代表として、またWebメディアカンパニーの経営者として、各方面から注目を浴びている。
 

矢野