今回のゲストは、ニューハーフ界のカリスマ、如月音流さんです。
株式会社ニューゲージの代表取締役として活躍される傍ら、最近では日本テレビ「オネエMANS」にご出演されるなど、幅広い範囲で活動されている音流さんに、若者に対するメッセージをお伺いしました。

---まず、今までの経歴を含めてニューゲージを設立されるまで経緯を教えてください。
実家がラーメン屋だったんで、コックになろうと思っていたんです。調理師免許を取るために大阪の専門学校に行きました。卒業したあと、修行のためにホテルで働いたんですけど、毎日メニューにある同じものを作るのに飽きちゃって。なんか「料理って意外にクリエイティブじゃないなぁ」って思って辞めちゃいました。
それで実家のラーメン屋を手伝いながらブラブラしてたんですけど、暇を持て余してケータイで毎日遊んでたんです。その当時まだ格好は男だったんですけど、出会い系サイトみたいなところで男の子とメールして遊んでたんですよ(笑)。
そのうちの一人にネットに詳しい子がいたんです。その子の影響で、ケータイのメルマガをやるようになったんですね。昔の携帯はHTMLメールが読み込めるバグがあって今で言うデコメールがダウンロード出来るサイトが出来たんです。それと併せて絵文字の漫画がヒットして会員数が30万人になったんですよ。
広告料が配信単価で1円位もらえるので、実家手伝っている時は月10万の収入だったのに、一回メール送るだけで大体30万くらい入ってくるんですよ。それで、そのお金で北海道じゃ出来ない遊びをしようって思い立って東京に出てきたんです。
東京ではバンドやって相変わらずケータイで稼いでいました。でもある日ネットでニューハーフの情報サイトみたいなのをみつけて、この街ならニューハーフになっても生きていけると確信しました
(笑)
もともと、自分の性に違和感を持っていたんですが地元、北海道ではそんなことできるわけ無いなと諦めていたんです。そんな訳でニューハーフになったんですが自分は携帯で仕事できてましたけど、まわりのニューハーフの子たちが仕事がないって言ってたんです。仕事クビになってしまったり、やむを得ず夜の仕事してたり。
それだったらニューハーフの子たち集めて会社やろうって思ったんです。そのとき偶然にもゼイヴェルの大浜社長が一緒に会社をやろうって声をかけて下さったんですね。じゃあ社員全員がニューハーフの会社にしようってことでニューゲージを作ることになったんです。
---音流さん自身の気持ちとか、身辺とか、起業して変わったことってありますか?
人生って波と言うかバイオリズムがあると思うんですよ。楽しいこととか幸せを感じる瞬間があれば、その一方で、上手くいかないこと、悲しくて辛い出来事とかってやっぱりあるじゃないですか。
でも、「雨はいつか止む」、というか人生山あり谷ありなんです。悪いことがあってもその跡に必ず良い事が待ってる。「いつか必ず」っていう確固たる信念と自己への投資という考え方を持つと、谷は必ず越えられる。
そして、諦めない人間が出来るんですよ。じゃないと幸福が連鎖するループの中に入れない。一回入ってしまえば、経験しているからまたやろうとするんです。
一年や二年ダメでも、投資の額は大きいほど見返りも大きいって考え方を持って常に前向きに生きていった方がいいなって思うようになりました。
---音流さんはクリエイティブなお仕事をなさっていますが、アイデアが生まれる時って、どんな時ですか?
遊んでいる時ですよ、基本的には(笑)。アイデアって頭の中にある引き出しの組み合わせで生まれると思うんですよ。「これやったことがない!」って事に出会ったら、チャンスだと思って遊び感覚でとにかくやってみるんです。面白くなくてもいいんです。面白くなかったってことを経験したんだから。
常に自分の中のバージンをぶっ壊していく。知らないことを無くすつもりで、とにかくやってみる。それで痛い目に遭ってもね。

---音流さんの夢は何ですか?企業としての夢とか、個人としての夢とか。
まず、ニューハーフの人がもっと簡単に生きていける、ゲイとかトランスジェンダーとか関係なくなるような社会を作りたいですね。誰かがやらないといけないことだと思うんです。
今は、戸籍変更とか法律の整備が進んでいるだけで、やりたい仕事に就くことが現実として難しいんですね。その文化を変えるにはどうしたらいいかって言うと、一番手っ取り早いのは、世間に認めさせるために、ニューハーフの会社つくって成功させることですよね。そうすれば世間からの見方が変わると思うんですよ。
文化が変わる時、その時をニューハーフ2.0って呼んでるんです(笑)。最終的にはニューハーフっていう言葉もなくなればいいと思ってるんですけどね。死語になるくらい当たり前になった時がニューハーフ3.0。そこがスタートラインです。

---東京ビジネスアイデアコンテストに期待することは何ですか?
面白いことがたくさん生まれる予感がしますよね。日本という国が、小さいカルチャーをたくさん生み出す国になって欲しいです。たくさんの流行があって、それを常に世界に発信していく国だって思ってもらうために、東京ビジネスアイデアコンテストが起爆剤になってくれればって思います。
例えば「ゴスロリ」ってあるじゃないですか?あれって日本が世界に誇れる文化なんですよ。ヨーロッパですごく人気がある。でもそういうことを知らない人は虐げるような目で見るんですよ。自分の好きなもの着ているだけでなにも悪いことしてないんだからいいじゃないですか。だから日本発祥のものがもっと世界で認められて、今の状況を変えられたら世の中面白くなりますよね。
「日本発、世界着」。ゴスロリの海外向けのブランド作って、とにかく海外で売るために日本のアニメとタイアップさせたり、海外の人が好きそうなジャンルに引っ掛けていって外貨巻き上げたいですね〜(笑)。

---最後に、東京ビジネスアイデアコンテストの応募者の皆さん、若者に対するメッセージをお願いします。
まず失敗を恐れちゃダメですよね。若い人が自分で思っている失敗って失敗の部類に入らない。そもそも失敗って何ですか?世間に顔向け出来なくなること?どんなことしたってそこまでの失敗なんてそうそう出来ないんですから。例えば20億の借金とかお願いしたって銀行が貸してくれないですよね?だから最大限にやってみた方がいいですよ。細かいことは気にするな、思いの丈をぶつけてみろ。そうおもいますね。会社作って倒産したって数百万円です。車一台買えば終わりです。
| ■ 取材日 |
:2007/3/6 |
| ■ ライター |
:Naoko Nishida |

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